アクションゲームの遊び方(1):難しさの正体
昨今、英語や中国語を読めるだけで、遊べるゲームがどっと増える時代ですね。
私も実は英語のノベルゲームをやりたくて勉強中なのですが、なかなか身につかず修行中だったり……。
いや、思ってる以上に英・中文の百合ゲーって多いんだよね……。
で。
ふと、それってアクションゲームも同じことが言えるんじゃないかと思いました。
普段あまりゲームをしない人だけでなく、そこそこたくさん遊ぶ人でも、アクションだけは苦手意識を感じているという方、結構多い気がしています。
中にはとても気になるゲームがあっても、アクションだから自分はできないなと諦めてしまう方もいたり。
単にアクションゲーム嫌い、どれも興味ないって方なら別にいいんですが、やりたいゲームがあるのにジャンルが苦手で出来ないってのは、気持ちはわかるし仕方ないけど、とはいえ残念だなぁ、と思ったりしたので。
たとえば、巻末にCDのついたペラペラの英語入門書程度の、アクションゲームの遊び方みたいなものを記事にできないか、と考えまして。
ちょっとそういうものを書いていきたいと思っています。
もちろんひとくちにアクションゲームと言っても色々ありますが、できるだけどのゲームにも対応できるような基礎の基礎を書いていく予定です。
読むだけで! アクションゲームが! うまくな! ればいいな……。
結論からいうと慣れ
いきなりこの記事にあるまじきタイトルで申し訳ないんですが、アクションゲームができる理由はアクションゲームを自発的に遊んで慣れている人だから、アクションゲームができない理由はアクションゲームに慣れていない人だから、これに尽きます。
ー完ー
……いや、議論をぶん投げたいわけではないです。
ここで言いたいことは、アクションゲームを普通に遊ぶだけなら才能は特に必要ないということ。こんなのゲーム以外でも言えることですけどね。
もちろん競技性のあるゲームで上位に行きたいとかならセンスも重要ですけど、遊ぶだけなら上手くなる必要も特にないですし。下手でも遊んで楽しければそれでいいのです。
とはいえ、何度もやられるとストレスが溜まるのも確か。
慣れていない人がただただ繰り返し遊んで慣れていくのもひとつの手ですが、まぁそれができる人なら初めからアクションゲー遊ぶわけで。
重要なのは、「『アクションゲームに慣れている』とはどういう状態か」ってことです。
アクションゲーム苦手な方が難しいと感じる理由は、全てがリアルタイムで進行していくから、が一因としてあると思います。
アクションは苦手だけどRPGはできる、という方も結構いますし。RPGは比較的リアルタイム進行の要素が少なめですから。戦闘がターン制コマンド制なら尚更です。
加えてアクションでは、敵に攻撃を当てるにも、攻撃を避けるにも、自分の操作で行う必要がある。
とにかく同時並行で考えることが多いのに、全然状況が待ってくれない。
それが苦手意識を与えてるんじゃないでしょうか。
その気持ち、
全部正解です。
アクションゲームが難しいのは、究極的には「同時に色んなことを考えさせられるから」です。これは上手い人だろうがなんだろうが同じです。
たとえば敵がたくさん出てくる、複雑な動きをしてくる……等々、それだけで脳への負荷はえらいことになります。
逆にただ地面を歩いているだけ、といった単純な動きの敵に対しては、脳の処理がかなり軽くなります。数が減れば尚更です。
また、複雑な動きの敵がたくさん出てきたとしても、プレイヤーの操作するキャラクターがそんなの問題にならないくらいめちゃくちゃ強ければ、これも大した負担にはなりません。
これがアクションゲームの根本的な「難易度」にあたります。
そして、ここが大事なんですけど、アクションに慣れるということは、「色んなことを同時に考えられるスーパー超人になる」ってこと……ではありません。
そんなすごいことしてる人はプロでもあんまりいないと思います。
じゃあどうするかと言うと。
「考えるべきタスクの中でも、優先度が低い処理を簡略化して、できるだけ重要なタスクに集中する」。
頻出する特定の動作・対処をあらかじめインプット(=簡略化)しておいて、脳のCPUを優先順位の高いタスクに振り分けられるようにするーーつまり、考えるべきことを極限まで減らす。
もっと乱暴に言い換えるなら、「慣れる」。
……これが「アクションゲームがうまくなる」ってことなのだと思います。
難しいことを言ってるように見えるかもしれませんが、じゃあ、今ちょっと左手の指を3本立ててもらっていいですか。
たぶん普通にピースサインに薬指を足した3本の指を立てて、小指と親指を畳んでいると思いますが、別にそんなことは指定してません。親指と人差し指と中指の人もいるかもしれませんね。親指と人差し指と小指を立てた貴様は死刑です。
でも、たぶん、やり慣れている形を即座に選んだと思います。
「ええと、人差し指と、中指と、薬指を真っ直ぐにして、親指と小指を折って、」とか頭の中で考えながら立てた人はあんまりいないのではないでしょうか。
そして、指を立てながら普通にこの記事を読めたはずです。
十分難しいタスクですよ、文章を読むって。
慣れって、ただそれだけのことです。
だから、つまり、指を3本立てながら記事を読めるあなたはもうアクションゲームができるんですよ(暴論)。
逆説的に、アクションゲーム苦手な人は、自分で考える以上に色んな部分で、この「簡略化」が進んでいない人、と言えます。
さきほどの指のたとえで言うなら、「そもそも各指の名前すらわからない」人もいるわけです。ただのピースサインだって、やったこともない小さな子供は下手だったりしますよね。
やり慣れていないことには、そのぶん脳のCPUが割かれます。
そうしてあれも考えなきゃこれも考えなきゃとCPUを割きまくっているうちに、みるみるうちにパフォーマンスが悪くなってビジー状態……
これがミスの理由です。
よく反射神経がないからと思われる方もいますが、反射神経ではなく、脳のCPUが100%になって反応できなくなっているのが原因なのです。
(私も反射神経とか他人と比べても無い方です。でもアクション遊べてます)
しかしそれならば、もはや「どこを直せばいいか」がわかったも同然。
何が悪かったのかわかった上でやるのと、わからないでやるのとでは、全く話が違ってきます。
大切なのは意識することと、全部いっぺんにやろうとしないこと。
最初は「意識」することで逆に脳の負荷が強くなって、他の部分で失敗するかもしれません。が、繰り返し意識的に行動して処理を簡略化、つまりひとつの動作に「慣れる」ことができれば……一歩前進です。
アクションゲームは基本的に、これを繰り返すゲームと言っていいです。
それでもやっぱり難しいと感じるかもしれません。
大丈夫です。
上手くなろうと気を張らなくていいのです。
クリアできりゃあなんでもいいのですよ。
クリアできなくたって、楽しかったら満点です。
ですから、ミスを恐れず挑んで、やられすぎて楽しくなくなったら休憩しましょう。
そんなもんでいいのです。ゲームですから。
まぁ、実際さらに楽しむために、この記事がお役に立てるといいんですけど。
次回以降、このシリーズでは具体的に、初心者にとって処理の負荷になりやすい部分とその対処について解説していく予定です。
さっきさらっと優先度の高いタスクだの言ってたけど、じゃあアクションゲームにおける優先度の高い・低いって何よ? って話ももちろんしていきます。
出来なかったことが出来るようになると楽しいですよ!
ということで、今回はここまで。
次回は「ソフト選び」編です。アクション初心者にやさしいゲームを紹介していくよ!
マリオとカービィです(ネタバレ)
余談。
この記事は私自身の経験や、「アクションゲーム苦手」を自称する方のプレイ映像を拝見して気づいたこと等から書いていく予定です。なので、勘違いや思いすごしがあったりするかもしれません。
よりよい記事を目指すためにも、よかったらご意見・ご感想・ご質問などをいただけると嬉しいです。