たてかんばん

ゲームとかアニメとか、好きなように綴ります

『END ROLL』――止まらないエンドロールの終わりへ

 

 気がついたら令和だってよ!! つれいわーー!!!(ここで世界中が大爆笑)(止まらない拍手喝采)(国民栄誉賞授与)

 

 

 登場人物の心象世界が舞台の作品っていろいろありますよね。

 私は大好きです。

 ゲームでいうと『サイレントヒル』シリーズとか、『ルールオブロー』とか、海腹川背』とか、人間の心の闇に深く近づいていくストーリー。ホラータッチだったりもして、ひりつくような人間の恐ろしさが世界をも侵蝕していく。楽しいですよね。

 

 今回紹介する作品『END ROLL』は、そういう作品が好きな方にこそおすすめしたい。

 ついこの数日でクリアしたフリーゲームなのですが。

 いやーーー面白かった……!

 良質のグラフィック・音楽に彩られる魅力的な世界観はもちろんのこと、サブストーリーやクエスト等、RPGとしても非常に細かく作り込まれていて、ものすごく遊びがいがありました。

 メインストーリーは4~5時間ほどでクリアできるものの、寄り道要素がたくさんあったり、細かいテキストの変化があったりして、やり込めばもっと好きになれる良いゲーム。これがフリーゲームなんだから驚きですよ。

 あそこまでブッ飛んだ世界観ではありませんが、フリーゲームタオルケットをもう一度』シリーズの雰囲気に少し近いものがあるかも。可愛らしい外見のド畜生種族がいたりね……。好きな方はぜひやってみて欲しいです。

 

 キャラクターみんな好きだけど、推しはドグマ兄さんです。というか兄妹推し。クソ真面目で不器用な性格も戦闘時の性能もすべてが推せる……。あのラストはだめだよ。泣いちゃうよ。

 ……でも正直全員推せますよねー。タバサもガーデニアもコーディも閑照先生もミレイユもユーミもみんな好きなんだよな……。

 

 

 それでは、簡単にあらすじをば。

 本作は舞台が「夢の中」であることが最初から明示されています。

 主人公「ラッセル」は夢の中の名もなき村の住人となり、村民たちと交流したり、時には小さな冒険もしたりと、穏やかな暮らしを始めることになります。

 しかしそんな生活を進めるにつれ、村の住人たちが何者なのか、ラッセルといかなる関わりを持つのか……といったバックボーンが明らかになっていきます。

 登場する敵などもかなり暗示的な外見・名称になっており(「動物園のチケット」や「酒瓶」などが襲いかかってきます)。戦闘中であっても、ふと回想めいたモノローグが表示されたりして、これがまた主人公ラッセルの背景を想像させるものになっています。

 そして物語の進行やイベントの回収につれ、少しずつ上昇していくパラメータ「罪悪値」。

 

 ――夢の中で何が起きようと、現実は変わらない。

 変わらない現在。変えられない過去。止めどないフラッシュバック。優しさという業火に焼け爛れる両手。どこまでも追いかけてくる「悪夢」。

 それでも、変わるものがあるとすれば、それは――。

 

 という感じで、ふわふわした世界観とは真逆のシリアスで陰鬱としたストーリーがこのゲームの一番面白いところ。

 フリーゲーム界における「Ib」や「魔女の家」を始めとした、ストーリー重視のホラー探索ADVの流れを継承しつつ、RPGとしての繊細な作り込み、シュールな夢の世界が織り成す鮮烈なドラマに魅了され。そして何よりも、優しく魅力あふれる登場人物たちが、それゆえにプレイヤーの心を苛む……。

 

 足掻いても、悔やんでも、エンドロールは止まらない。

 『END ROLL』はそんなゲームです。

 

 ということで、よかったらぜひ遊んでみてください。フリーゲームなのでダウンロードするだけで遊べます。

 私なんか楽しすぎて細かいイベントやらやり込み要素など全回収しちゃったので!

 そのぐらい面白いゲームですので!