たてかんばん

ゲームとかアニメとか、好きなように綴ります

さらば女神異聞録ペルソナ【13】(END)

 

 

 2年前。

 女神異聞録ペルソナ、セベク編・雪の女王編ともに初めてクリアしました。

 とても思い入れ深いゲームになったものの、その狂気の難易度にあまりにも手ひどく痛めつけられた心は安らぎを求めました。

 あと1周。

 まだ見ぬルートを選別して、あと1周だけやったら終わりにしよう。

 そう思っていました。

 

 そして今、ここにいます。

 

 

 というわけで、今回の記事で最終回となります。

 ……いやぁ、長かった。いかな凶悪難易度とはいえ、4周もすれば効率的な進め方はわかるというものです。

 最終的には時間以外の苦しさもなく、あれほど苦労したラスボスもやはり「タルカジャさえあれば勝てる」の法則の前に為す術なし。タルカジャ全開状態のどくばりが鬼威力すぎる。

 最終ルート攻略、およそ30時間

 セベク編全ルート、攻略。

 

 いやー、レイジは本当にいいキャラですね……。

 というか、まさかエンディングでアヤセと同系統の衝撃受けるとか思わんがな。やりおるなおまえ。

 でも一番うれしかったのは卒業後もマークとの交流が続いているらしいことですね。いや、マークきみ渡米したんじゃないんかい。

 

 さて、女神異聞録ペルソナの思い出についてはもう散々語りましたし、あまり話すこともないのですが……。

 一応総まとめというか、このゲームに対する思いを軽くお話して結びとしましょう。

 

 

 ぶっちゃけ、ずっと言ってきたとおり、このゲームは全盛期のアトラスかくありきとばかりに人の心がありません

 理不尽に強い敵。理不尽に弱い味方。長い戦闘時間。やけに複雑なゲームシステム。ミノタウロスの気分が味わえる広大なダンジョン。少なすぎるセーブポイント。「プレイ時間を長くさせてやろう」という魂胆しか見えない悪質極まるギミック。

 

 しかしながら多くの人がこのゲームを愛したように、私もこのゲームを愛しています。

 いや、自分でも不思議なのですが。

 やはりひとえに、苦しみのぶん、それを超えた先のストーリーが素晴らしいからなのでしょうか。

 

 1996年当時の雰囲気を反映した若者と、彼らの成長譚。

 学生たちによるちょっとした都市伝説の再現を皮切りに、平凡だった学園生活が一転。歪み始める現実世界。身近な人物の死。ヒロイン・園村麻希の変貌。巨大な陰謀に翻弄される学生たち。グイグイ引き込まれる展開の連続。

 この頃ってやっぱりエヴァの影響などもあって、登場人物の内面世界に踏み込むストーリーが多かった気がしますね。以前紹介した「ベアルファレス」しかり。

 

 ここで連載してきたセベク編はまさにメインストーリーとして、世界を変貌させた陰謀の謎を追いつつ、登場人物たちが成長していく物語。

 その一方で、セベク編で描かれなかったキャラクターたちのエピソードとして「雪の女王」が存在しているところがまた好きなところ。

 こちらはセベク編では仲間にならないキャラクター・黛ゆきのを主人公として、氷に閉ざされた学園を舞台に繰り広げられる、どちらかというとヒーローものに近い文脈のサブストーリーです。

 こちらはメインキャラの成長よりも、むしろサブキャラの描写に重点が置かれており。学園に多数存在していながら、セベク編ではすぐに退場してしまったネームドキャラクターたちとの交流や対決が描かれます。

 そこが本当に素晴らしくて……やっぱり、プレイヤーの行動によって世界観の広がりを感じさせてくれるRPGは面白いと思うわけですよ。

 セベク編と比べるとややダンジョンアタック寄りのルートですが、セベク編ではまるでかかわらなかったサブキャラが大々的にピックアップされているのが面白い対比なんですよねぇ。

 プレイ時間がとにかく長いのはまぁペルソナシリーズの宿命としても、やはりこの2ルート存在しているところがまたひとつこのゲームを名作たらしめている部分じゃないかな。

 

 あと、地味に好きなところとして、戦闘における演出面の良さ。

 いや、正直初見だとむしろ演出長いしスキップできないしで戦闘時間が長引くイライラポイントではあるんですが、冷静になって見てみると非常に手間暇かけられている。

 たとえば敵キャラクターのグラフィック、いわゆる「亜種」というものがもちろんこのゲームにもいるのですが、それを単なる色違いばかりにせず、キャラによってディテールを細かく改変しているわけですね。しかもそれがみんなアニメーションするわけですよ。一部の技使用時には、キャラごとの特殊アニメーションまで再生されたり。セクシーダァンス! セクシーダァンス! セクシーセクシーセクシーダァンス! ゲゲゲゲゲゲ!

 ……まぁ、それがやはり前述の演出過多にもなっている諸刃の剣ではあるのですが。

 

 それと、BGM。

 PSP版リメイク「Persona」では、原作BGMの総取替が批判の対象になっていたりするようです。それはそれで良いのかもしれませんが、そうした批判もさもありなん、BGMはどれも素晴らしいものばかりです。

 もちろんBGMそのものも良いものですが、個人的にすごく好きなのが、戦闘終了ジングルが戦闘BGMの小節終わりにつなげて違和感なく再生される演出! これが非常にカッコイイ。というか普通にスゴイ。どうやってるんだろう。

 さらにボス戦BGMの演出も素晴らしい。ボス戦が始まってすぐに再生されるのは不穏な空気を漂わせるようなゆるやかなBGMなのですが、プレイヤーが「FIGHT」(戦闘開始)を選択した瞬間、激しいエレキギターの音とともにハイテンポなボス戦BGMが演奏される……!

 これが本当にカッコよくって、何度ボスと戦ってもテンションが上がってしまう所以でもあります。

 

 うん、でも、やっぱり好きなのはストーリーとキャラクターかな。

 この連載シリーズだって、ひとえに桐島英理子綾瀬優香城戸玲司に対する興味が尽きなかったことが最大のモチベーションになっていたわけで。連載では書いてませんが、1周目で攻略したブラウンこと上杉秀彦もなかなかにカワイイやつなんですよ。

 ここまで心が折れることなく……いや、折れたけど、折れてもなお突き進み終わらせることができたのも、紛れもなく彼らのおかげ。彼らの一部は2にも登場すると風のうわさで聞いているので、これから2罪罰を遊ぶのが楽しみでなりません。今ならきっと誰よりも彼らの再登場を喜べる自信がある……。

 

 実際にペルソナ2を遊ぶのは、FFマラソンを止めていたり、いろんな積みゲーを消化したいのもあってまだ先になりそうですが、2も心から楽しみたいと思っております。2はほんと評価高いし純粋にすごく楽しみなんですよね。

 

 ということで長くなってしまいましたが、以上をもちまして『女神異聞録ペルソナ いつ終わる』シリーズは終了!

 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!

 

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 cogito ergosum

   - Rene Descartes

 

  fin