たてかんばん

ゲームとかアニメとか、好きなように綴ります

プロットを考える《2》

 プロット話。

 

 物語は結局のところ型にあてはめた方が思いつきやすくなります。

 無から何かを作り出すより、童話から発想して作った方が圧倒的にやりやすいし早いですね。元となる作品でなくとも、たとえば起承転結ですとか序破急ですとか。

 個人的には、ハリウッド式三幕構成をややアレンジしたものを好んで使いがちですが、最近は書くたびに別のやり方を試しているもので、ちょっと忘れ気味。

 ということで、復習も兼ねて私のやり方をまとめてみます。

 

 

 

 0から作品を作る時、真っ先に作りやすいのは多分キャラクターだと思います。だいたいは(違うっていう人は才能。うらやましい)。

 作りやすいというよりは、具体化しやすいというべきかも。

 とにかく具体的にできるところから具体的にしていって、それを手がかりに広げていくのがいい発想法なのだと思います。

 

 で、キャラクターは自由に作ればいいんですが、必須事項として「欠点」をつくります。「現状への不満」とか「欲しいもの(足りないもの)」と言い換えてもいいです。

 欠点をお話の中で出すと、自然とそれを解消する流れに持っていけます。欠点が原因でピンチに陥ればさらにドラマチックになりますね。そういう問題点を物語の中で解消すれば、それだけで一つのお話ができあがります。キャラクターの欠点を作ることで、お話としての目的地がうっすら見えてくるわけです。

 不満な状態とそれが解消された状態のギャップが大きいほど面白さに繋がります。いわゆるカタルシスっていうやつです。

 この欠点に本人が気づいている必要はありません。気づいていてもいいですが、伏線としてそれとなく欠点を示唆し、中盤以降の展開で本格的に触れていく方が展開にメリハリができると思います。また、欠点に気づいていても、その解決方法を勘違いしているというパターンも大いにアリです。そこはいかようにでも。

 あと、物語上解消する欠点がないキャラクターも一応アリです。たとえばヒーロー物によくある手法ですが、ヒーロー側のキャラクター(主人公)は特に成長せず、ヒーローが助ける側の人物に欠点を設けて消化する、というやり方。これなら欠点を解消しないキャラクターでもドラマ性を作れます。

 欠点はひとつのエピソードの中で全員が解消する必要はないのです。特に続き物ならば。

 

 で、次。

 舞台設定です。

 この時点でどういう話にするかのビジョンがある程度浮かんでいたら、それを舞台設定としてまとめるだけでOK。書きたいジャンルから考えてもいいです。

 ここで最低限必要な舞台設定は、世界観がどのように主人公及びキャラクターたちを取り巻くのか、そしてその中でのキャラクターの目的は何か、という部分。

 たとえば主人公が閉ざされた空間で連続殺人事件に巻き込まれたとすれば、犯人を探すという目的にしてミステリにもできますし、犯人はどうでもいいから生き残るという目的にすればサバイバルホラーにもできますね。また閉ざされた空間の設定次第では、犯人に見つからないようにその空間を脱出する、という目的もあり得ます。

 

 重要なのは、ここで設定した目的を達成すると、先ほど設定した欠点も同時に解消されるということです。

 ということは逆に言えば、キャラクターの欠点から舞台設定を作ることもできます。このキャラクターの欠点を解消するためにはどのような舞台に乗せるのがいいのか、と自問して作るわけです。

 

 たとえば、片想いの相手がいて、想いを伝えたいけど勇気がない。というキャラクターを先ほどの殺人事件にぶち込んでみましょう。片想いの相手もその場にいるとすれば、その人物を守るために勇気を出して犯人に立ち向かう(間接的に勇気を得る)という展開も考えられますし、犯人に片想いの相手が殺されてしまい、復讐心をきっかけに皮肉にも勇気を得て積極的に犯人を探す、という感じで悪い方向に欠点を解消することもできます。一口に「欠点を解消する」と言っても、シンプルに欠点がなくなる(成長する)パターンだけでなく、欠点を受け入れるだとか、欠点の前提が崩壊してしまうだとか、色々考え方があります。

 あと、この作り方でやる場合はちょっと特殊ではありますが、欠点そのものはあるものの、解消できそうでできないまま終わる、というパターン。次回に続いたりする場合のやつですね。ドラマ性を抑えめにできるので、軽めのオチにしたい場合はコレも選択肢のひとつ。

 

 いや、舞台設定ってそういうことじゃないだろ細かいところの作り方はどうすんのよ、っていう意見はわかる。私も聞きたい。

 でもここで言えるのは具体化した部分をきっかけにうまいこと広げてください、っていうくらいです。発想のきっかけです。キャラクターの欠点を解消するに相応しい世界観を都合よく構築してしまえばいいのです。もちろんある程度のリアリティを確保する必要はありますが。舞台設定がすでにある程度固まっているなら、それを最大限活かせるキャラクターとその欠点を考えればいいわけですし。

 舞台設定を作り込んでいるうちに当初の予定とは違うストーリーになったりは普通にするものなので、「後で変更する」ことを前提に決定できることはどんどん決定して具体化してしまいましょう。その方が次の発想が出てきやすいです。

 各自、適宜つくりこもう!(適当)

 

 

 まとめると、

・具体的にしやすいところから具体的にする

・キャラクターに欠点を作る

・舞台を通してキャラクターは欠点を解消する

 です。

 

 思いのほか長くなったので次回に続きます。