たてかんばん

ゲームとかアニメとか、好きなように綴ります

『カメラを止めるな!』を観た ※ネタバレ感想

 なんだかんだ劇場で観る機会を逸してしまっていた話題作『カメラを止めるな!』、ようやくレンタルで観ることができました。

 

 いやマジで面白かった……というか、面白さのジャンルが違った。

 

 

 ※以下全文『カメラを止めるな!』本編のネタバレを含む感想となっておりますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや、まさか酷い版『SHIROBAKO』になるとは思わないじゃないすか……!!

 

 わかってましたよ、そりゃ、このタイトルであの冒頭、普通に考えたら「ONE CUT OF THE DEAD」を撮っている人の話になるのはまぁ自然ですよ。思いっきりカメラのレンズ拭いてるしな!

 ただまさか冒頭32分のショートムービーが丸々プロローグで、以降が本題になるとは……

 露骨にグダり散らかしていたシーンがすべて伏線となって襲いかかってくる怒涛のコメディ。ゾンビもの! ワンカット一発撮り! 32分生中継! プロデューサー適当すぎ! 役者が曲者すぎ! あげくに退場! 隅から隅までどうしようもない!

 そんなもん面白くないわけがないでしょ……

 

 しかし、アイデア一本頼りではなく、テクニカルな構成を脚本の技術でうまくハンドリングしているところがこの面白さの所以かと。

 何がいいって、冒頭30分で破天荒なイカれた監督として描かれていた主人公・日暮が、フィルムの外では一転していまいち冴えない監督になるところ、監督志望の彼の娘がむしろ妥協を知らないブッ飛んだADとして登場するところ。

 もうこの時点で面白すぎるんですよね……落差の見本……。

 

 「そこそこ」の監督としての自分を娘に軽んじられている父親、妥協を知らなさすぎてなかなか現場に馴染めない娘。

 メインのドラマはこの2人のものですが、この他にも準主役とも言うべき人物たちが、トラブルまみれの撮影の中で(と言うよりむしろトラブルをきっかけに)自分に欠けていたものを手に入れていく様子がしっかり描かれているんですよね。

 現状に満足していない人、あるいはやっかいな主演2人まで。もうトラブルが起きるたびに酷いことになっていって爆笑するしかないのに、結果としてちゃんとドラマ的な変化が起きていく。

 アイデアだけでなく、このシンプルな脚本としての面白さが、あのラストの笑顔の気持ちよさに繋がっているんだと思うわけですよ。

 

 そして初めから「ONE CUT OF THE DEAD」を見直すと、全ての伏線が浮き彫りになって更に面白いというね!

 もう主演3人の視線の動きすら笑えるからな!

 

 という感じでかなり面白かった『カメラを止めるな!』。

 なるべくしてなった話題作!

 また見よう。