『GRAVITY DAZE 2』で女の子は誰でもプリキュアになれる
かつてPSVitaの発表と同時に、Vita専用のいくつかの新作ソフトが公開された時のコト。
当時『朧村正』にハマっていた僕は、同じくヴァニラウェアの新作『ドラゴンズクラウン』が気になっていましたが、
あるゲームの情報にそんな前提は吹っ飛んでしまいました。
『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』
「少女は、空に落ちる。」
そのタイトル、そのキャッチコピーは、僕が求めていたものを体現したかのようでした。
重力を操るアクション。バンドデシネ風のデザイン、不思議なキャラクター造形。
あまつさえ、ディレクターとシナリオライターは僕の大好きなゲーム、
『SIREN』の外山圭一郎さんと佐藤直子さん。
このゲームと出会うためにゲーム好きでいたんだな、とさえ本気で思ったものです。
さて前振りはここまで！！
要は『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』をつい昨日クリアしたって話だ！！
Vita版の1を発売日に買って、クリアしてからさらに数年。
予約購入したもののPS4がなく、PS4を手に入れてもなんだかもったいなくて、しばらく置きっぱなしでした。
しかし、これでついに――完結。
重力姫キトゥンの長い旅はひとまず終わり。
クリアしてもまだ謎の部分は多いけど、そこは『SIREN』シリーズも同じ。
考察のしがいもあるってもんです。
いや、ホンッッッットに面白かった……！！
「重力操作」のアクションの魅力ここに極まれり！！
相変わらず複雑な多重構造の街を、重力変化でスッと移動する楽しさよ！！
何しろそんな複雑な街だから、重力変化ナシで歩き回るだけでも面白いのよ！！
迷ったら重力操って空に落ちればすぐ戻れるしね！！
1の頃からの魅力はそのまま！！
そして特筆すべきは、さらに広く美しくなったマップ……！
もうね、「色鮮やか」とはこのこと。ハイセンスな配色の近代都市が青い空に浮かんでいるわけですよ。
1は街ごとにメインカラーを定めてデザインしてる感じで、それも最高だったけど、
2のメインタウン「ジルガ・パラ・ラオ」はとにかく鮮やか……！ 夏の日差しが映える！
こんな街が空に浮かんでたらトロピカルジュース片手に満喫しちゃうっつーの！
でもラオ鳥の肉串もおいしそうだなあーー！！
そんな最高の景観だってのに、今回はカメラまで渡されるもんだからさあ大変ですよ！！
行楽気分で写真撮りまくろう！！！ 名所観光だあ！！！
そのうえ今作では色々とポーズも取れるからね！！
その場に座ったり、拍手したり、ドーナツ食べたり……
しかも街の人がそれにリアクションとってくれるんですよ！！
挨拶したら返してくれたり！！ 驚かせたら持ってるものを落としたり！！
街に生きてる感じがするよね！！
1には色々難点があったけど、それらも改善されて昇華されています。
あれだけ広いマップでありながら、ほとんど寄り道要素がないところが1のもったいない点。
しかし、今回は多数のサイドミッションを収録！！
街のゆかいな住人たちに振り回されるキトゥンの日常がこれでもかというほど描写されており、
バリエーションも荷物運びやチラシ配りから、尾行に探偵、アイドルデビューなど盛り沢山！！
猫もおだてりゃ空に落ちる！！ キトゥンちょろい！！ ちょろかわいい！！
いやーー、もうこれだけでも最高。
それと、1は結構重力キック一辺倒な戦闘でした。
それ以外の技がちょっと弱いのと、あと飛んでる敵が多いので、結局重力キックを連発してしまうんですよね。
しかーし、今回は重力グラブもスライドキックもメッチャ強い！！
特に重力グラブ！！ ガラクタを拾える範囲が広くなって、重力グラブの使用にわざわざ使えるモノを探す必要がない！！
適当に○押したらどこかから拾える！！ 便利！！ そして威力高い！！
そして新要素「ルーナチューン/ユピトールチューン」によるさらなるバリエーション……！！
簡単に言うと、これまでは重力の「向き」だけを変更できるのが主人公キトゥンでした。
しかし今回チューン変更をすることで、重力の「重さ」までもが変更できるように！
ルーナチューンは月の重力。
フワフワと移動できるうえ、それを利用して大ジャンプができたり。
通常攻撃もターゲットをオートに追いかけてくれたり便利！
また高速移動キックができるので、ちょこまか飛び回る敵に超有効！
これが助かる！！
しかしルーナチューンの最大の魅力はむしろ移動面。
大ジャンプや長距離ダイブでビル街を飛び回るのがめちゃくちゃ気持ちいい！！
ぶっちゃけ重力変化で目的地に直進したほうが速いは速いけど、
それを加味しても使いたくなる楽しさ……！！
一方ユピトールチューンは木星の重力。
重くなったぶん、落下速度がメッチャ速くなる！！
攻撃力もガンガン上がる戦闘スタイル！！
重力グラブで拾ったモノをひとつに固めて巨大な塊にする「デブリボール」、
すさまじい衝撃で周囲一帯にダメージを与える「重力波動キック」等、
戦闘面での魅力が盛り沢山！！
特に「重力波動キック」は、仲間との共闘時に発動すると二人並んでのダブルキックになる！！
これがすばらしい！！ たのしい！！ 熱い！！
Wライダーキックですよ！！
ともかく、これらの「チューン」の使い分けでバトルのみならず移動にも幅が広がったわけです。
いやーーー楽しいぞ……！！
難点を挙げるならカメラかな……！
システム上仕方ないコトなんけど、カメラが向いている方向に重力を変更できるので、
特に戦闘中は細かくカメラを動かすわけです。
が、壁際とかに浮いてるとカメラが寄るので、視界がわけわからないコトになったり。
２は特にデコボコしたマップも多いので、結構頻度が高かった気がします。
でも楽しいよ！！！！ それを補って余りある楽しさだったよ！！！！
僕、どちらかというと『DAZE』は「スーパーヒロインもの」だと思っており。
製作側もそれを念頭に置いて作ってる感じがするんですよね。なんか外山さんも『美少女仮面ポワトリン』を参考にしたって言ってた気がする。
だので、楽しめるかどうかは、いかに街を守るヒロイン「重力姫」として戦えるか、というトコロにあると思ってます。
とりわけ今回は仲間との共闘、前作とは違うさらなるライバルヒロインの登場などで、
ものすごくヒロイン色が強くなった……！
いや、もう半ばプリキュアですからね。マジで。ふたりは重力姫。
先述の重力波動キックによるダブルプリキュアキックもそうですけど、
ライバルとの戦闘時、空中からキックをお見舞いしてやろうと飛び上がったら、
同じく飛んできたライバルに掴まれてブン投げられ、
壁に叩きつけられたときの興奮わかる？？？？
「これプリキュアだ！！！！」ってなりましたよね！！！！
そう、「スーパーヒロインもの」なんですよね。
今回完結編ということで、記憶を失ったキトゥンの過去もついに明らかになるわけですが、
やっぱりこのゲームで一番大事なのは、
重力姫キトゥンが街を愛し、街を守る物語だというコト。
こと今作ではサイドミッションがあることもあって、キトゥンと街の人々の関わりが重要になってきます。
「キトゥンが自分の正体を知るまでの旅」として捉えてしまうと、もしかすると少し物足りないのかもしれません。
しかし、キトゥンと一緒にあの街を「落ち」回る中で、プレイヤーもまたあの街を愛せたなら、
間違いなく感動できるシナリオとなっています。
っていうかね、盛り上がりがすごいよね！！
ネタバレはしませんが、メインキャラ全員めっちゃ好きになる！！
特にシドー！！！！ シドーおまえそういうとこだぞ！！！！！！
もちろんクロウも！！！！！ 本格的にイケメンだな！！！！！
警務官組もスン兄弟もいいぞ！！！！！
バンガ集落組もみんないいヤツらばっかりだし！！！！ 擬似母娘百合かな！！！！
ライバルキャラのアンジェたちも魅力的！！！！！ 姉妹百合かな！！！！！
軍人コンビも！！！！！ たのむおまえら一刻も早く結婚してくれ！！！！！
そしてキトゥン！！！！！ 俺だ！！！！！ 幸せになってくれ！！！！！！！
（百合が多いのは筆者の歪んだ心の体現）
（とも言いきれないトコロだぞ今作は）
ということで、ホントやってほしい！！
PS4を持っている諸氏は『GRAVITY DAZE』を1+2あわせてやってほしい！！
僕の愛するこのゲーム、空に落ちてく冒険譚。
そのはじまりからおわりまで、
ぜひ見届けてくれ！！
P.S.要らない写真はできるかぎりこまめに削除することをおすすめするぜ！ イヤホント！ おすすめ！ 好きな写真だけ残そうな！
あと2のこのロングCM見て！！！！
『GRAVITY DAZE』の魅力が詰まってるだけでなく、普通に映像作品としてめっちゃ面白いから見て！！！！！
